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芭蕉db
(猿蓑)
(ちまきゆう かたてにはさむ ひたいがみ)
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 元禄4年夏。『猿蓑』に「物語」の句が少ないというのでこの句を入れたと『去来抄』にある。『源氏物語』に登場する女房のかいがいしい姿をイメージしてチマキを一心不乱に作っている女の姿を詠んだのである。したがって、一句は想像の産物らしい。
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粽結ふ片手にはさむ額髪
 チマキを笹の葉でくるんで紐で結ぶ。そんな作業に専念している女が前髪のずれてくるのを気にして耳の後ろに髪を差し挟んでいる。一心不乱に手作業に専心している女性の姿を切り取った芭蕉ならではの見事な処理。
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