芭蕉db

煤掃は己が棚つる大工かな

(炭俵)

(すすはきは おのがたなつる だいくかな)

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 元禄6年冬。

煤掃は己が棚つる大工かな

 この時代煤はきは12月13日と決まっていた。句の情景はそういう時なのであろう。普段他家の仕事ばかりしている大工が、年末の煤掃きというと自分の家の棚を作ったりしてかいがいしく働いている。特に彼が大工の棟梁などであったりすれば、普段の威厳との落差もあって面白い。この時代、腕のよい大工は社会的ステータスであった。芭蕉晩期の名句。