芭蕉db
   仙風が悼み

手向けけり芋は蓮に似たるとて

(続深川集)

(たむけけり いもはちすに にたるとて)

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 天和年間の作だが詳細は不明。15句ある。
 仙風は、門弟杉山杉風の父、杉山市兵衛賢永の俳号。享年不詳。

手向けけり芋は蓮に似たるとて

 仙風の死にのぞみ、蓮の花を霊前に手向けるところだが、蓮が無いのでとりあえず芋の葉を供えておこう。なんとも簡略な追悼だが、仙風がお目出度いといわれる年齢で亡くなったか、軽妙洒脱な人であったかしたのであろう。芭蕉にとって、その息杉風同様気の置けない関係だったことが伺われる。