芭蕉db

餅花やかざしに插せる嫁が君

(堺絹)

(もちばなや かざしにさせる よめがきみ)

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 延宝年間(30歳〜37歳)頃までの間の作。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、7句がある。

餅花やかざしに插せる嫁が君

 「餅花」は小正月に飾る繭玉<まゆだま>のこと。米の粉で作った様々な色や形に作った団子を樫の枝やケヤキなどの枝に挿して飾る。豊作を祈願して行われる行事であった。そんな繭玉を飾ったところへネズミが現れて欲しがっている。その姿は、「嫁が君」と言われるとおりなかなかかわいらしい。「嫁が君」とは、新春に現れるネズミのこと。