芭蕉db
   深川の末、五本松といふ所に船を
   さして

川上とこの川下や月の友

(続猿蓑)

(かわかみと このかわしもや つきのとも)

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 元禄5年秋。『蕉翁句集』は6年説。五本松とは、現在の江東区大島町で小名木川の川端。月の友には、『更級紀行』に「俤や姥ひとり泣く月の友」がある。

川上とこの川下や月の友

 今宵は名月。私はこうして小名木川の五本松で川面に揺れる月を眺めているが、この同じ川上には私の心の友もこれと同じ月を眺めているであろう。
 川上で眺めている「月の友」が誰であるかはもちろん分からないが、古来山口素堂であろうといわれている。


東京江東区江東区芭蕉記念館の句碑(牛久市森田武さん提供)