芭蕉db

阿蘭陀も花に来にけり馬に鞍

(江戸蛇之魚鮓)

(おらんだも はなにきにけり うまにくら)


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 延宝6、7年ごろの作。この時代、鎖国のためオランダも長崎だけで通商が許されていた。そして年に一度、将軍拝謁のために江戸に来た。その季節が二月で丁度桜の咲く時期と一致したのである。「鞍おけ」という歯切れのよい表現は、源三位頼政の歌「花咲かば告げよといひし山守の来る音すなり馬に鞍おけ」を受けているのは言うまでも無い。

阿蘭陀も花に来にけり馬に鞍

  オランダ商館の紅毛人のご一行様もやってきた。それ花見の季節も一緒にやって来たぞ。我らも花見に行くから、急いで馬の背中に鞍を置け。