芭蕉db

こがらしや頬腫痛む人の顔

(猿蓑)

(こがらしや ほおばれいたむ ひとのかお)

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 『蕉翁句集』では元禄3年冬。おたふく風邪でも流行したか。

こがらしや頬腫痛む人の顔

 木枯しが吹き、寒さの厳しい通りを、頬を腫らした風邪っ引きが歩いていく。お多福風邪は、耳下腺の脹れる病気で、流行性耳下腺炎というわけである。句から寒気が立ち上がってくる。