芭蕉db

原中やものにもつかず啼く雲雀

(あつめ句)

(はらなかや ものにもつかず なくひばり)

草も木も離れ切つたるひばりかな

(泊船集書入)

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貞亨4年、44歳。

原中やものにもつかず啼く雲雀

 中空高く舞い上がったひばり、ただ青い春の空だけがどこまでも続く。何ものにも束縛されないひばりの自由な姿と孤独さを描いた句。雲雀については他に、

永き日も囀り足らぬひばり哉

雲雀鳴く中の拍子や雉子の声

などがある。


栃木県矢板市矢板稲荷神社にある句碑

 この句が、矢板市で詠まれたかどうかはわかりませんが、この句のもとになる「草も木も離れ切つたるひばりかな」の句碑が、佛五左衛門の妻によって、今市に建立されたとの云え伝いがあることから、何らかの関連があるかもしれません。(写真と文:牛久市森田武さん提供)