芭蕉db
畑打つ音や嵐の桜麻
(花摘)
(はたけうつ おとやあらしの さくらあさ)
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元禄3年3月11日。伊賀上野白髭神社での興行の折の作。伊賀盆地ではこの日田起しの農作業が急ピッチでなされていたのであろう。桜麻は麻のこと。桜の咲く時期に種を蒔くことからこう呼ばれると言われている。
畑打つ音や嵐の桜麻
いま盛んに百姓たちは田起しの農事作業をしている。その鍬を打つ音は嵐(
=
荒らしの掛詞)のように大きく響いている。春たけなわの田園では桜麻が緑のじゅうたんのように芽吹いている。
三重県上野市須智荒木神社の句碑(牛久市森田武さん提供)