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芭蕉db
貞亨五戊辰七月二十日
於テ二竹葉軒ニ一長虹興行
(荷兮真蹟歌仙巻)
(あわひえに とぼしくもあらず くさのあん)
粟稗にまづしくもなし草の庵
(笈日記)
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貞亨5年7月20日。『笈の小文』の旅の帰路、長虹の竹葉軒で開催の七吟歌仙の折の発句。長虹は名古屋市北区西杉町にあった解脱寺という寺の僧侶。寺内に竹葉軒という草庵があった。歌仙はここで行われたらしい。『笈日記』では、「覓レ閑三句」<かんをもとむさんく>として「刈り跡や早稲かたかたの鴫の声」などと共に掲出。
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粟稗にとぼしくもあらず草の庵
ひえやあわが実って食べ物が豊かにありますね。長虹への挨拶吟。ただし、稗や粟であるから庵主の生活態度は質素そのものであり、それを理想としていたのである。芭蕉もまたそこに共感する人であってみれば、「とぼしくもあらず」には自ずと自制が入る。つまり、庵主の生活は「清貧」だったのである。