と言う句で「深き」が連体形なのですが、どの名詞にかかっているのでしょうか?「秋深き」でそのあと全文を修飾しているようにみえるため、連体形をとっている理由がみえてきません。NAさん
A:「秋深き」ではなくて、「秋深し」とすべきだということですね。
@ 当然、「深き」というからには、それにつなげて「夜」とか「閑さ」とかいうように「名詞」が来なくてはおかしいではないかということだと思います。作者芭蕉の頭の中には当然「何か」秋に関する名詞の字句があったのだと思われます。透明感のある白で、寂しく、しっとりとした晩秋を象徴する何かが。それをこらえたままで抜き取ってしまったところが、この作品の秀逸さなのではありませんか?
A 「秋」の「キ」と「深き」の「カ」と「キ」というカ行の音が続くことで透き通った秋の音になっているのもねらい目にあったかもしれませんね。「深し」では音が吸い取られてしまいます。
B 上記@とAの意味で余韻を作りたかった、ということではないかと思いますが如何ですか?
もっとも『六行会』には「秋深し」という記録も残っています。